家について考えるとき。
おそらくほとんどの人が一度は考えるんじゃないかと思うのですが
「賃貸がいいのか、購入がいいのか」
これって、かなり一生もののテーマですよね。ですが、このたび、自分自身が長年お金について考えてきた結果、経済的な側面から見た「自分なりの最高な答え」が出たので、ここでご紹介させていただきます。
ちなみに、ここでご紹介するケースは「マンション」に関してのお話しになります。戸建に関しては、またの機会に別記事にて書かせていただきます。
賃貸するくらいなら、購入した方がいい。たとえ独身でも、低賃金でも。
この記事が伝えたい結論を先に言います。私にとっての最高の家選びは
「数年後も、自分が購入した価格とほぼ変わらない価格で売れる物件を購入すること」です。
そうすれば、毎月家賃を支払いながら、次に引越しをすることになったときに、次の家を購入するためのお金の一部を作りながら住めるからです。
①なぜ購入した方がいいのか?物件の性能について考えてみる
私がたどり着いた答えは「賃貸するくらいなら、購入しよう」でした。
もちろん、この考え方が採用されるのは「最低でも3年以上は生活する前提」になります。あまりにも短期の場合には、さまざまな手間を考えて賃貸の方がいいこともありますから。購入してしまうと「固定資産税」など新たな支出も出てきますしね。
ですが、単純に比較して考えてみましょう。
「賃貸で借りて住む場合」と「ローンを組んで購入する場合」毎月の支払額がほぼ同一になる水準で部屋選んだ際に、まず
どちらの部屋が、部屋としての質が高いでしょうか。
多くの場合、ぜったいに「購入する物件」の方が性能が高いです。
賃貸用の物件というのは、どうしても「一時的な居住」を前提とした造りになっているため、購入物件と比べるとどうしても性能の部分で劣ってしまうことが多いです。広さの面でもそうです。
なので、同じ価格でよりよい物件に住むのであれば「購入物件」を選んだ方が性能がよい場合が多いのです。
②購入したとしても、あくまでも一時居住である
次に気を付けたいのが、「家に対する考え方」です。
多くの場合、「家を買う」となると「一生に一度の買い物」「生涯を過ごすところ」と考える人が多いと思うのです。
ですが、実際に考えてみましょう。
ものすごくおおまかな「人生のライフサイクル」ですが
- 実家を出て、1人暮らしをする
- 結婚相手と出会い、2人で暮らし始める
- 子どもが生まれ、家族の人数が増える
- 子どもが育ち、また巣立っていく
- 老後の両親とともに暮らすようになる
- 両親も亡くなり、また夫婦2人で暮らす
これ以外にも、突然の転勤や、突然の転職、想定外な身内の動きなどなど人生には「不測の事態」がつきものです。
なので、必要なのは、「その時その時の家族にとってベストな家選びができること」だと私は思うのです。
常に自分が思ったように進んでいくわけではないので、そこは気を付けたいところです。
③ムダなお金は一銭も払わない!快適に住みながら黒字を生む
「ムダなお金は一銭も払わない」ってどういうこと?という話しですよね。笑
これは、「絶対に家賃を掛け捨てにしないようにしよう」ということです。実際に自分が何年間か居住をした結果、その物件からさらに収益を得ようという話になります。
賃貸で家を借りた場合、毎月必ず家賃を払うことになります。これはのちのち一銭も自分の元には残りません。完全に消えてしまうお金です。
しかし、あることに気を付けて物件選びをして購入した場合、その家は「家賃を払う負債」にならず、もしかしたら黒字を生み出す可能性がある「資産予備軍」に変わるのです。
自分が生活をした結果、さらにプラスを生み出すには、選ぶ段階から注意しなければならない点があるのです。
何年も住んだ上で、さらに黒字を生むことができたら、それは嬉しいことですね
自分が購入したときと、ほぼ同額で売り払える家を選ぶこと~5年先、10年先を見越して~
住宅の市場には「需要と供給」があります。
「人がたくさん住んでいるところ」には「住宅の需要」があります。「人がいないところ」にはもちろん「住宅の需要」はありません。
自分がある物件を購入するとき、その物件が「人口が増えつつある場所」であれば5年後10年後もおそらく需要があるでしょう。逆に「人口が減りつつある場所」であれば、価格うんぬんの前に、そもそも売ることすらできないかもしれません。
人口増加中の街で、中古マンション(目減りしない物件)を選ぶ
人口が増えている街は、人気のある街です。
そこが「お年寄りに人気のある場所」だったら、数年後の未来はわかりません。けれど「若い子連れ世代、ファミリー層」が好む場所であれば、5年後10年後、その子どもたちが大人になり、新たなニーズが生まれる可能性が高いです。
なので、まず必ず確認したいことは「人口増加中かどうか」
さらに、その「増加している人口の年齢層が若いかどうか」
この2点さえ押さえたら、場所選びはもうバッチリです!
あとは、むやみに高くない、ある程度底値に近い物件を選ぶだけです。
新築マンションを選ぶのは愚の骨頂。中古になった途端に目減りする
よく耳にする話ですが、「新築マンション」を購入するのは、できる限り避けた方が無難です。
新築は家の価格のみならず、そこに広告宣伝費が大きくのっている上、さらに1人でも住んで「中古」になった瞬間、これでもか!というほどに価格が目減りします。
なので、「買ったときとほぼ同額で売ること」に重きを置いた家選びをする場合は、ある程度「底値」と考えられる物件を上手に購入することが大切です。
マンションの場合、およそ10年以上が経過したものであれば、「場所&広さ&造り」という点から、「最低でも、この価格以上は下がらない」というおおよその価格帯が見えてきます。
その価格帯にある中のものから、自分のライフスタイルに合った造りの家を選ぶのがいいでしょう。
新築は新築ならではのメリットがありますが、金銭的な面で考えると、割高な側面は否めないですね。
的確な「底値」を判断できる力がほしいですね。
上手に選び、ゼロ円で暮らす。それが、家族のライフスタイルに合わせて住み替え続けるためのポイント
このようにして、「自分が購入したときと、ほぼ同額で売れる家」を選んで生活をしていくと、月々の家賃(住宅ローン)の支払いをすればするほど、その家を出る時に、自分の手元に残るお金が増えていきます。
毎月毎月、賃貸と同じだけの金額(家賃)を支払いながら、それは次に自分が住む家のための積立になっていると考えることができます。
自分が購入したときの金額と、本当にピッタリ同額で売る事ができたなら、住んでいた年月分の住宅ローンの支払いは完了しているわけですから、その分の金額が自分の手元に残る資金となります。
もちろん、固定資産税が発生したり、「管理費・維持修繕費・駐車場代」がバカ高い物件だった場合には、このとおりにはいかないかもしれません。しかし、完全に100%掛け捨てとなってしまう賃貸の家賃と比べたら、このような購入の仕方をした方が賢いと思いませんか?
これはとてもいい買い方だと思います。
同じ価格でより快適な場所へ。最悪もとの価格より値下がりしたとしても、快適な生活が手に入る
上記の記事は、あくまでも「同額で売れること」が前提となっていました。
そんなにうまい話あるわけない、と思う方へ、もう一つの考え方をご提供します。
万が一、自分が買った金額よりも、安く売る事になったとします。むしろ、その方が可能性が高いかも知れません。
最悪、自分が売却したとき、そのお金のすべてが残っていた住宅ローンに全部とんで、手元に新たな資金が残らなかったとしても、その住んでいた期間ずっと「賃貸よりも快適な住環境で暮らせていた」のだとしたら、それはそれでOKじゃないですか?
そう思うと私は、やはり「賃貸で暮らすこと」はよほどの理由がない限り、損なんじゃないかなと思うのです。
最後に。成功例~単身1人住まいでも、購入して正解だった~
最後に、私の知人による「物件購入の成功例」をご紹介します。
彼は、社会人1年目で、実家を出る事になったとき、この考え方を使って単身住まい用のワンルームマンションを購入しました。
購入金額はおよそ400万円。少し気になる点があったので、自分でリフォームをかけたそうです。それによって、家そのものは住みやすく快適になりました。
およそ5年間、そこで暮らしたそうです。
そして、仕事が変わり、その家から引っ越すことになったので、売却することにしました。
結果、その家は510万円で売却できたそうです。
・・・ということは、彼は「自分なりに快適な生活」を送りながら、毎月家賃(住宅ローン)の支払いをし、5年間生活をした結果、510万円というお小遣いを手元に残して次の家に住み替えることができたのです。
もちろん、自分でリフォームをかけた分のお金、住宅ローンの残額があったとしたらその分の支払いはありますが、確実に「住みながら黒字が出ている」というところがポイントです。
これは、賃貸であれば確実にありえない話です。
知識を得たならすぐ行動。賃貸暮らしから、家購入へ
この話を聞いたとき、私はそれまで自分の無知を後悔しました。
私は、これまでおよそ10年間、賃貸で生活をしてきました。
彼にその話をしたら、「10年間賃貸だったんなら、大体年間100万円くらい支払ってるはずだから、およそ1千万円くらいのマンション買えてたんだね。それだけのお金を捨ててきたのと同じだよ。もったいなかったね」と言われました。
これがあまりにショックだったので、即座に売り出し中のマンションを探し始めました。そして、「管理費・維持修繕費・駐車場代」こみで、これまでの賃貸の家賃と変わらない価格で支払える範囲の物件を購入しました。
これまでと支払っている価格は変わらないのに、家は広くなり、壁は厚くなり、全体的な家の造りが丈夫になりました。部屋としての断熱性も上がり、毎日の生活が快適になりました。
家には、まだ2歳の息子がいます。これからこの子が成長していくにしたがって、ベストな家というのは変わっていくことでしょう。
けれど、「自分が購入した価格とほぼ変わらない価格で売れる物件を購入すること」「ゼロ円で暮らすこと」という秘儀を知った私は、もう引越しは怖くありません。次の家を購入するときも、不安はありません。
賢くなって、これからも「自分たち家族にとって快適な家」を選び続けていきたいと思います。