お金がない親の面倒を見るストレス
私がお金がないことで困ったキッカケは、父が脳梗塞を2回と脳内出血の影響で認知症になったのが始まりでした。
それなのに貯金もせず、毎日のように遊び、毎日が外食。
更には後輩に奢ってあげる優越感に浸り、金銭感覚はとてもおかしかったです。自分の体調がおかしくなってても、病院には行かずに遊び続けました。
認知症の父親に対するストレスも膨れ上がります。
ご飯を作っても「食べてない」と言われ、お漏らしの回数も増えました。
父は、毎日のようにスナックに通うのに、行きも帰りも迷子になる。それが原因でバイトに遅れたこともあります。
何とか家にいさせれないかと大喧嘩することも珍しいことではありませんでした。
元々が乱暴な性格だった父は、当たり前のように物を壊します。父の友人達も「お前がちゃんとしてないからだ」と私を責めます。
そのせいか家に居場所がないと感じた私は、外にいる時間が延び、買い物依存症になっていました。
体調もどんどん悪くなっていきましたが、気を紛らわすのに精一杯でした。
どうしていいかわからない毎日だったと思います。
お金がない父親と生活保護
父は生前に生活保護を受けていました。
スナックのママの操り人形になっていた父は、申請もせずに働かされていました。
給料も保護費も全てスナックのママの懐におさまっていたのです。
私は生活保護について知らなかったのもあり、違反行為をしていると理解をしていませんでした。
なので、役所にスナックのママの行動について相談してしまったんです。 それがある意味大きな間違いでした。
調査が入り、不正受給とみなされ86万円の請求が来ました。
引き続き保護費から引かれることになったものの、それから父は入院し、適切な治療は受けられずに寝たきり生活。
たった9ヶ月で亡くなりました。
そして娘である私と姉に請求が降り掛かってきました。
当然私達に払えるはずもなく、親戚中でお金を出し合って一括で56万円を払ってくれました。
そして今まで何の貯金もせず、病院にも通わなかった私にはそのツケが回ってきます。
次々に病気にかかり、通院費用がかさみました。
父親と同じでお金がない私
お金が無い状態を何とかするために、私は時給の高いバイト先を探しがむしゃらに働きました。
1日10時間以上の労働、深夜に帰宅して朝の5時半〜10時まで仕事をして帰宅。少し寝て色々済ませたらまた17時〜深夜1時までバイト。
その繰り返しでした。
体調を崩してクビになったら、また次のところへ面接に行く日々。
ストレスと疲労で倒れ、救急車で運ばれたこともあります。
それでも足りないと思ったほどにお金はありませんでした。
当時付き合っていた恋人は支えるどころか私を笑い、そして浮気をしました。
私は拒食症になり、ガリガリに痩せていく私を見かねた友達が手を差し伸べてくれたのです。
ですが、親戚にお金を出してもらった事がプレッシャーでトラウマになってしまい、友人からの申し出を最初は受け入れることが出来ませんでした。
それでも友人は何度も声を掛けてきてくれました。
気付けば、自分の力ではどうにも出来なくなっている私が居ました。
それを見放すどころか、その友人はずっとそばに居てくれました。
いいお友達がいてくれたこと、本当によかったと思います。
お金のない私に手を差し伸べてくれた人たち
お金が無いという事から解放されてから、私は今も病院に通い続けています。
無理をして頑張り過ぎたことから、治せないところまで来てしまったのです。
それでも、お金が無く病院にも行けなかったあのころと比べれば、私は幸せなのだと思います。
友人が手を差し伸べてくれたお陰で、無理をしなくても安定した生活を送れるようになりました。
親戚にも友人にもお金を返す必要は無いと言われていますが、毎年行事ごとにプレゼントを送っています。
解放されたおかげで好きなことも出来るようになりましたし、やっと自分に余裕が出てきたように思います。
あの頃は趣味で楽しむことも出来ませんでしたが、今は色々な趣味を見付けることが出来ました。
何より笑顔が増えました。
心から笑えるようになりました。
私はそれが何よりも嬉しいです。
出来て当たり前なことが出来ない、私は自分でそれを作り上げていた事に気付かされました。
改めて解放されて良かったと思います。
お金がないと病気にも気づけない
お金が必要な時に働いていなかったら私は働き過ぎで倒れる以前にまず、生活が出来ていなかったでしょう。
病気にも気付けなかったと思います。
むしろ父と父の友人の板挟みで、命を絶って居たかも知れません。
それほどに追い詰められていました。
お金を貯めなかったことに後悔しています。私の場合運良く親戚や友人が手を差し伸べてくれましたが、必ずしもそうとは限りません。
ある程度の貯金は必要だと感じました。
うちは片親でしたし、父が病気をする前は丈夫で元気だったことから油断していたのもあります。
たとえ元気であっても油断は禁物だと学びました。
いつか自分も経験することなのに、自分には絶対ないと心のどこかで思っていたのもありますが、何より思いたくなかったのかもしれません。
そうして現実から目を背けてしまったばっかりに、金銭面だけではなく体も人間関係もボロボロになったのだと思います。
これが親や親戚ではなく自分自身だったら、もっと状況は悪かったでしょう。
皆に絶対降り掛かってくる問題、私もこの先のことを考えて同じ道を歩まないようにしたいです。