集めた着物を買取にだすことに…
私はコレクションしていた着物を売りに出そうかと悩むようになりました。
そう考えるようになったきっかけは、自身の海外移住にありました。
私は結婚後、主人の都合でアメリカに引っ越すことになりました。
着物に魅了された日々
実家暮らしで、母のインテリア好きの影響もあり、置物や食器など好みのものを集めることが大好きでした。
色々と集めているときに出会ったのが着物です。私は着物の美しさに魅了され、少しずつコレクションを始めました。
最初は集めるだけだった着物ですが、着付けにも興味が沸き、着物教室にも通うほど好きになりました。
着物教室は2ヶ月コースで値段もそれなりでしたが、大好きな着物を着付けられるようになると思うと躊躇なく申し込みができました。
そして気づけば沢山の着物が部屋の押し入れに。そんな矢先に引越しの可能性が濃くなってきたのです。
以前、母に結婚し引っ越すときには実家をきれいに整理して出ること、実家を物置代わりにしないことと言われたことがあり、私は身辺整理を始めざるをえませんでした。
小さい頃から集めたもの、大人になってから集めたもの、そして着物もすべてアメリカに持って行く…。この考えはまったく現実的では無く、私は泣く泣く整理を始めたのです。
着物を売ると決めた理由
整理を初めて数週間、悩んだ末に着物を売ることに決めました。その一番の理由は、やはり保管場所がないことでした。
布は重く、アメリカへ荷物で送るとなると相当費用がかかってしまいますし、かといって日本に保管しておける場所がなかったのです。
また着物は手入れも必要でした。物置にずっと置いてあってはカビが生えてしまします。定期的に干して、湿気を取り除かなくてはいけません。
このメンテナンスもアメリカに引っ越すとなると非常に難しいのです。
カビの生えた着物を見るのはとても悲しいし、着物が生かされる場所に着物を売ろうと私は考えました。
そして私は着物の買取店を探しました。ネットの情報や友人の紹介でいくつかのお店が候補に上がりました。
私は候補のお店と連絡をとる、または相談にいってから、どこに買取をしてもらうか決めることにしました。
大事にしていた着物を良い条件で買取をして欲しかったですし、そのお店の対応も直接見て比較したかったのです。
自分で足を運んで、自分の目で確かめようというこの心意気!素晴らしいです。
着物買取店との出会い
そして一軒、とても親身に考えてくれるお店と出会いました。
なぜそのお店で売りたいと思ったかというと、ひとつひとつ丁寧に着物を見て査定してくれたからです。
担当の方はとても着物に詳しく、話しやすい人でした。
あるお店では、着物をちゃんと見ずに枚数で買取価格を決めていましたし、価格も納得のいくものではありませんでした。
私がコレクションしていた着物の枚数は30着ほどで、その他小物がありました。
普段着用の小紋から、よそ行き用の訪問着、祭事用の振り袖や喪服、持っていた着物は多種でしたので、何着でいくらという計算には少々納得がいかなかったのです。
また、いくつかのお店をまわったことは結果的に買い取り価格を上げることに繋がりました。
あそこのお店ではこれくらいで買い取ってくれると言っていたと、その店舗の名刺を見せて話すと、話はいくらかスムーズに進みました。
もうひとつ買取価格が上げたのは、着物の状態の良さでした。
私は着物全てに新しいたとう紙(着物を保存するときに包む和紙)を買って綺麗に保管していました。担当の方も状態の良さは評価してくれていました。
着物の買取価格は持ち込みで1万円に
最終的には、そのお店で着物や小物全て込みで1万円で買い取ってもらうことに決まりました。
違うお店ではその半額ほどだったので大幅にアップしたといえます。
着物のコレクションにかけた費用は考えたくはありませんが仕方がありません。数万円かけて集めた着物の価値はこの程度なのです。
担当の方は、着物は買取価格を上げにくい商品だと言っていました。
よそ行き用の訪問着で珍しい柄であったり、祭事用の振り袖は高値がつくことがあるそうですが、普段着に使われるような小紋の値段をつけるのが難しいのだそうです。
着物はその人の体型、特に身長にあった物を選ばなければなりませんし、現在、着物の需要はとても少ないことが買取価格を上げにくい要因だと担当の方は話をしてくれました。
着物を売るとなると二束三文だとは知っていたので、今回、お店をまわって、最終的に1万円で売れたことはとても納得のいく結果になりました。
また、担当の方が丁寧な査定をしてくれたことは売る側にとってはとても気持ち良かったです。
買取価格は愛おしい着物の評価
もしそのお店で着物を売っていなかったら、私は売った後、いい気分では無かったと思います。売ってしまって後悔をしたかもしれません。
一生懸命集めた着物がこんなに安くあっさり売れてしまったのか…と思ったと思います。
今回、幾つかのお店をまわって、疲れもしましたが、その労力は売ったときの気持ちの良さにも繋がったと私は感じています。
自分の大好きなものを売る時には、ある程度時間をかけることがとても重要だと思います。
あとは、担当の方がとても丁寧だったので救われました。本当は手放したくない着物なので、売る時も少なからず未練があります。
そんな時に担当の方がその着物を大事に扱ってくれると、使わないでカビが生えるよりは、ここのお店で着物の好きな人の元へ行って着てもらったほうが良いだろう、と思えました。
引越しをバタバタと終え、アメリカに来て何年か経ちますが、今でも良いお店に出会えて良かったと思っています。
また他のお店で売っていたら着物に未練が残っていただろうとも思います。
この事を通して、大事なものは自分が信頼できると思ったお店に売ることが、満足に繋がるのだということを経験しました。